編集長ブログ

■ツーリズムの先進地「九州」

自分自身、九州にグリーンツーリズムを広げるために起業したこともあり、「九州のムラ」ではツーリズムの特集を意識的に組んでいる。九州にはツーリズムの人材育成を目指す熊本県小国町の「九州ツーリズム大学」、今や年間2000人もが普通の農家や民家に宿泊し"農泊"型グリーンツーリズムを展開する大分県安心院(ルビあじむ)町、"ワーキングホリディ制度"を都市と農村を繋ぐ仕組みに活用し、花卉栽培などの援農でマチの人々を受け入れている宮崎県西米良(ルビにしめら)村、体験型観光を積極的に展開し、ムラの人々が先生(インストラクター)となってさまざまな暮らしの体験、遊びの体験をメニュー化して交流を行なっている熊本県水上村など、全国から視察に訪れるような先進的な取り組みを行なっている町村も多い。また広域的な取り組みでは、阿蘇郡の12市町村全体が従来の観光振興に加え、地域の資源を再発見し"素顔の阿蘇を探す"ツーリズム的な取り組みも始まっている。今や九州全域でツーリズムを取り組んでいる市町村数は約100ヶ所と全体の2割弱を占めるに到っている。九州が"ツーリズムの先進地"と言われる所以でもあろう。確かにこの1~2年でツーリズムを取り巻く状況は進展していると言ってもよい。ただし、あくまで行政側から見た話である。 
農村を舞台に展開されるグリーンツーリズムとは、『マチ』の人間にとっては「田舎を訪れ、人々と交流し、その生活に触れたり様々な体験をする」新しい旅のスタイルの一つであり、『ムラ』にとっては、「農林漁業の第1次産業をベースに加工品や特産品を作り(第2次産業)、更に農家民宿、農家レストラン、直売所などサービス業(第3次産業)まで産業を複合化して地域の経済基盤を作っていく活動」でもある。今まさにマチの人々は世代を超えてムラを求め、行政も第一次産業中心のムラであるほど救世主とばかりにグリーンツーリズムによる地域づくりを積極的に推し進めている。
2003年11月13日 養父信夫